2026年版 AnkiのおすすめFSRS設定:目標定着率・学習ステップ・復習量

Ankiのdesired retention(目標定着率)を90%から95%に上げるのは、数字だけ見れば小さな変更です。ところが、学習量まで5%増えるだけとは限りません。目標を上げるほどFSRSは復習間隔を短くするため、履歴が蓄積したコレクションでは復習キューがかなり重くなることがあります。さらに Reschedule cards on change(変更時にカードを再スケジュール)を有効にすると、その負荷の一部がすぐに押し寄せる可能性もあります。

つまり、おすすめのFSRS設定とは、どこかからコピーしてくるパラメータ文字列ではありません。無理なく続けられる学習量を決め、その範囲内で想起率の目標を選ぶ。自分の履歴にモデルを適合させ、意図して組み直したい場合を除いて既存の期限は動かさない。大切なのは、この順番で判断することです。

以下のラベルと動作は、Anki 26.08リリースと、そのFSRS-6設定に合わせています。設定の前にモデルそのものを知りたい方は、FSRSとは?を読んでください。まだスケジューラを選んでいる段階なら、まずはFSRSとSM-2の比較が参考になります。

開示事項: 私はKirill Markinで、Flashcards Open Source Appを開発しています。Ankiには、個人の履歴に合わせたパラメータ最適化機能と、現在のFlashcardsにはない実験的な学習量シミュレーターがあります。記事後半の比較では、この違いを明記しています。

事実確認日: 2026年9月8日。

実際の水門を変更する前に模型で水流を試す運河の水門係

結論:まずはこの設定から

ほとんどのAnkiユーザーにとって、以下は無理のない出発点です。ただし、誰にでも当てはまる万能設定ではありません。

設定・習慣 安全な出発点 理由
Desired retention(目標定着率) 0.90 Ankiのデフォルトで、想起率と復習量のバランスを取りやすいため。
FSRS parameters(FSRSパラメータ) Optimize Current Preset(現在のプリセットを最適化)を使い、重みを貼り付けたり手動編集したりしない 最適化機能が自分の復習履歴にモデルを適合させるため。
最適化の頻度 多くても月1回。通常は数か月に1回で十分 Ankiは頻繁な最適化を推奨していないため。
Learning steps(学習ステップ) 当日中に終わる少数のステップにする 長いステップの連鎖は、モデルによるスケジュールへの移行を遅らせるため。
Relearning steps(再学習ステップ) 最小限にし、1日未満に収める 復習中に思い出せなかったカードにも、同じ制約が当てはまるため。
Reschedule cards on change(変更時にカードを再スケジュール) オフ 今日のキューを再構築しなくても、今後の復習から新しい設定を反映できるため。
Maximum interval(最大間隔) デフォルトの100年を維持する 上限を短くすると、十分に定着したカードまで頻繁に戻ってくるため。
New cards/day(1日あたりの新規カード数) 継続できる学習量から決める 新しいカードはすべて、今の学習と将来の復習を生むため。
AgainとHardの使い分け Againは想起失敗、Hardは苦労したが想起成功 誤った評価は、モデルに誤った履歴を与えるため。

復習を無理なくこなせていて、設定もすでにこの内容に近いなら、直すところはないかもしれません。設定をいじること自体は勉強ではありません。

3つの判断を分けて考える

desired retention、FSRS parameters、毎日の学習量は、ひとまとめに考えられがちです。実際には、それぞれ役割が違います。

  • Desired retention(目標定着率)は、想起率の目標です。学習目的と使える時間に合わせて自分で選びます。
  • FSRS parameters(FSRSパラメータ)は、記憶モデルを復習履歴に適合させます。Ankiのオプティマイザーが計算します。
  • 新規カード数と復習数の上限は、システムに入る教材の量と、Ankiが期限を迎えた復習を1日にどこまで表示するかを制御します。

この3つを分けるだけで、問題の切り分けはかなり簡単になります。復習待ちが多いからといって、パラメータが間違っているとは限りません。重要度の高いデッキだからといって、専用のパラメータプリセットが必要とも限りません。そもそも新規カードの量が続けられない水準なら、desired retentionを下げても根本的な解決にはなりません。

意欲ではなく学習量からdesired retentionを選ぶ

Desired retentionは、期限が来た復習カードをどの程度の確率で思い出せる状態にしたいかを、FSRSへ伝える設定です。0.90なら、FSRSは予測想起率が90%前後になるようにスケジュールします。これはモデル上の目標であり、すべての学習セッションや試験で正答率が必ず90%になるという保証ではありません。

トレードオフは両方向に働きます。

  • desired retentionを上げると、間隔が短くなり、復習が増えます。
  • 下げると、間隔が長くなり、想起失敗が増えます。
  • 下げすぎると、忘れたカードの再学習が増え、節約するはずだった時間の一部を使ってしまいます。

Ankiのデフォルトは90%です。desired retentionのガイドでは、目標が100%に近づくほど学習量が急増すると警告し、97%未満に保つことを推奨しています。公式の最適定着率の解説では、曲線の反対側も説明されています。定着率が低すぎても、忘れたカードに手間がかかり、非効率になることがあります。

まずは0.90から始め、学習量を確認してから変更してください。忘れると実際に不利益がある教材なら、目標を上げる意味があります。復習がもっと価値の高い勉強を圧迫しているなら、下げる意味があります。どちらを選んでも、曖昧なカード、実態に合わない評価、多すぎる新規カードは直りません。

デッキの定着率とプリセットのパラメータでは適用範囲が違う

Anki 26.08では、Desired retention(目標定着率)に Shared Preset(共有プリセット)と This deck(このデッキ)という2つの適用範囲があります。そのため、関連するデッキでは1つのパラメータプリセットを共有しつつ、特定のデッキだけに独自の定着率目標を設定できます。

忘れることの代償がデッキごとに違う場合は、この上書き設定を使います。同じ適合済みモデルを使っていても、資格試験用デッキには、優先度の低い参照用デッキより高い目標を設定する価値があるかもしれません。

This deckを選んでも、FSRSパラメータがデッキ固有になるわけではありません。デフォルトでは、Ankiは現在のプリセットが割り当てられている全デッキの復習履歴からパラメータを適合させます。デッキのグループごとに体感難易度が大きく異なるなら、別々に適合させるための正式な方法は、プリセットを分けることです。

Help Me DecideとSimulatorは質問に応じて使い分ける

Anki 26.08には、用途の異なる2つの実験的な機能があります。

  • Help Me Decide (Experimental)(判断をサポート・実験的)は、個人に合わせた定着率と学習量の関係を曲線で表示します。「無理なく続けられる復習数や学習時間に合う定着率はどれか」を考えるときに使います。
  • FSRS Simulator (Experimental)(FSRSシミュレーター・実験的)は、ある設定が時間とともにどう働くかを推定します。定着率、新規カードの投入量、復習数の上限、最大間隔の変更を比較するときに使います。

FSRS Simulatorのドキュメントには、主な入力項目として以下が挙げられています。

  • days to simulate(シミュレーションする日数)
  • additional new cards to simulate(追加でシミュレーションする新規カード数)
  • new cards per day(1日あたりの新規カード数)
  • maximum reviews per day(1日あたりの最大復習数)
  • maximum interval(最大間隔)
  • desired retentionとプリセットのFSRS parameters(目標定着率とFSRSパラメータ)

シミュレーションでは、プリセット内にあるカードの実際の記憶状態も使われます。そのため、今日が期限のカード数に一般的な割合を掛けて見積もるより、履歴が蓄積したコレクションで役立つ予測になります。

実際の設定を変更する前に、3つのシナリオを実行してください。

  1. 現在の定着率と新規カードの投入量。
  2. 検討中の定着率目標。
  3. 同じ目標で、1日あたりの新規カード数を減らした場合。

3つ目では、現実的な別案を試せます。想起率の目標は維持したまま、新しい教材が入るペースを落とす方法です。それで無理のない予測になるなら、キューを軽くするためだけに忘却の増加を受け入れる必要はありません。新規カードの投入量について詳しくは、1日に追加する新しいフラッシュカードは何枚がよいかを参照してください。

どちらの機能も、あくまで推定です。復習を休んだ日、カードの編集、新しい教材、評価習慣の変化によって、実際の学習量はグラフからずれることがあります。比較は方向を選ぶために使い、数か月先の復習キューを正確に予測するものとは考えないでください。

古いガイドでは、代わりに Compute Minimum Recommended Retention(最小推奨定着率を計算)、略してCMRRが紹介されていることがあります。Ankiはバージョン25.07でこの機能を削除しました。現在のdesired retentionの選択には使いません。

自分の履歴からFSRSパラメータを最適化する

Desired retentionが表すのは、自分の目標です。一方、FSRS parametersは、モデルを自分の復習履歴にどう適合させるかを表します。

Anki 26.08では、アクティブなプリセットのパラメータを適合させるために Optimize Current Preset(現在のプリセットを最適化)を使います。デフォルトでは、そのプリセットを使うすべてのデッキの復習履歴が含まれます。適合対象を狭める必要がある場合は、検索条件を調整できます。Optimize All Presets(すべてのプリセットを最適化)を使うと、1回の操作ですべてのプリセットが更新されます。

重みを手入力したり、Redditや動画、他の人のデッキからコピーしたりしないでください。カードの内容も、復習のタイミングも、評価の癖も人によって違います。きれいに並んだFSRS-6の重みをそのまま持ち込んでも、自分に合う学習戦略にはなりません。

意味のある復習履歴が新たに蓄積してから、再最適化してください。Ankiマニュアルでは月1回で十分とされ、26.08のアプリ内ガイドでは数か月に1回で十分とされています。実用上の結論は同じです。毎週、まして毎回の学習後に最適化する理由はありません。

現在のプリセットでヘルスチェックを使う

FSRSが現在のプリセットの履歴にどの程度うまく適合できるかを確認するには、Check health when optimizing (slow)(最適化時に状態を確認・低速)を有効にします。このチェックは Optimize Current Preset では実行されますが、Optimize All Presets では実行されません。

結果が良くなければ、重みに触る前にデータを確認してください。AnkiのFSRSパラメータガイドでは、よくある原因として、復習履歴が数百回に満たないこと、思い出せなかったのにHardを使うこと、想起に失敗したときにAgainを押していないことが挙げられています。有用な履歴がまだ少ない場合は、他のユーザーのパラメータを借りず、デフォルトのまま使って後で最適化してください。

Againは想起失敗、Hardは成功

この使い分けは、どの設定にも劣らないほど重要です。

必要な答えを思い出せなかった場合や、答えを間違えた場合は Again を使います。正しく思い出せたものの、かなり時間がかかったり迷ったりした場合にだけ Hard を使います。GoodとEasyも成功評価です。

Againの短い間隔を避けるためにHardを押すと、実際には失敗したのに、成功として記録されます。するとFSRSは、実態と違う履歴から学習することになります。ボタンの上に表示された間隔ではなく、実際の想起結果に合うボタンを選んでください。

曖昧なカードは、正確に評価しにくいものです。問題文で5つの事実を求められ、4つしか思い出せなかったなら、スケジュールの問題はカードを作った時点ですでに始まっています。カードを分割するか、書き直してください。何度復習しても失敗が続くカードについては、リーチカードの直し方を参照してください。

FSRSのlearning stepsは短く。空欄にするなら意図的に

Learning stepsとrelearning stepsは、通常の長期スケジュールへ移る前に、短い間隔でカードを再表示するタイミングを決めます。別の定着率目標ではありません。

AnkiのFSRSガイドは、次の2点を推奨しています。

  • 各ステップを1日未満にし、当日中に完了できるようにする
  • 当日中の反復回数を少なく保つ

1m 10m 1d 3dのような長い並びを使うと、SM-2時代の癖をそのままFSRSへ持ち込むことになります。1日以上のステップは、モデルによるスケジュールへの移行を遅らせます。また、Hardの間隔がGoodより長く表示されるなど、分かりにくいボタン表示の原因になることもあります。

1m 10mのような短い並びと、10mのrelearning stepは、自分の学習セッションに合うなら無難な初期値です。当日中の反復回数は、多ければよいわけではありません。

Anki 26.08では、learning stepsとrelearning stepsのどちらの欄も空にできます。FSRSが有効な状態で空欄にすると、その短期スケジュールをFSRSに任せることになります。この機能は実験的で、Againの間隔が1日以上になる場合があります。当日中に確実に再表示したいなら、短い手動ステップを残してください。タイミングをFSRSに任せると意図して決めた場合にだけ、欄を空にします。

段階的に移行するならReschedule cards on changeはオフにする

デフォルトどおり Reschedule cards on change(変更時にカードを再スケジュール)をオフにしておけば、FSRSを有効にしたり、desired retentionやパラメータを変更したりしても、既存の期限日はすぐには書き換わりません。新しい設定は今後カードを復習するときに反映されるため、キューは徐々に変化します。

このオプションをオンにしてFSRSの変更を保存すると、期限がすぐに再計算されます。新しい目標とカードの状態によっては、多くのカードが一度に期限を迎える可能性があります。また、Ankiは再スケジュールされたカードの復習履歴も追加するため、コレクションのサイズが増えます。

このオプションが役立つのは、過去分までさかのぼって本当にスケジュールを組み直したいときだけです。履歴が蓄積したコレクションでは、次の順序で進めます。

  1. 新しいバックアップを作成し、変更を取り消す方法や復元方法を理解しているか確認する。
  2. 変更予定の設定でSimulatorを実行する。
  3. 変更する設定を1つだけ選び、複数の実験を組み合わせない。
  4. 期限をすぐに書き換え、その結果生じる復習をこなせる場合だけ、保存時に再スケジュールを有効にする。

Ankiは、再スケジュールを伴ってSM-2から切り替える場合、バックアップを取るよう明確に推奨しています。フラッシュカードのバックアップガイドでは、バックアップファイルそのものと同じくらい復旧手順が重要な理由を詳しく説明しています。

maximum intervalは十分に長いままにする

Ankiのmaximum interval(最大間隔)は、デフォルトで100年です。十分に定着したカードがすべて100年間出てこなくなる、という意味ではありません。あくまで上限だと考えれば、不思議な設定ではありません。

上限を短くすると、十分に覚えたカードまで早く戻ってきて、学習量が増えます。上限に達すると、Hard、Good、Easyはいずれも最大間隔を超えられないため、すべて同じ間隔で表示されることがあります。

試験日という明確な期限がある場合、教材が頻繁に変わる場合、予測される記憶状態に関係なく繰り返し触れることを職務上の規則で求められる場合には、maximum intervalを短くするのが妥当なこともあります。不安だけを理由に小さな数値を選ばず、カレンダーとSimulatorに合わせて上限を調整してください。FSRSで試験勉強する方法では、その限定的なケースを詳しく扱っています。

通常の長期学習では、上限を十分に長くしておきます。予測想起率がどこまで下がった時点で復習するかは、すでにdesired retentionが制御しています。

新規カードの投入量も復習負荷を左右する

FSRSは復習を分散できますが、新規カードを無制限に増やしても続けられるようにはできません。新しいカードはすべて、今覚えるための負荷と、その後の復習負荷を生みます。

キューが重すぎる場合は、desired retentionを下げる前に以下を確認してください。

  • 1日あたりの新規カード数
  • 大量インポートや、生成したカードの大きなバッチ
  • 期限を迎えたカードを隠してしまう、低すぎる1日あたりの最大復習数
  • 何度も失敗して時間を消費するリーチカードや曖昧なカード
  • 復習を休んだ日

デッキが今後増えると分かっている場合は、Additional new cards to simulate(追加でシミュレーションする新規カード数)を使います。現在のコレクションだけを基にした予測では、大量インポート後の学習量を表せません。

予測値が大きすぎるなら、新規カードの投入量を減らして、もう一度シミュレーションします。そうすれば、忘却を増やす設定にしなくても、想起率の目標を維持できます。

AnkiとFlashcardsで使えるFSRS設定は異なる

どちらの製品もFSRS-6を使っていますが、AnkiのFSRS設定とFlashcards Open Source Appの設定は1対1では対応しません。

機能 Anki 26.08 Flashcards Open Source App
Desired retention(目標定着率) Shared Preset(共有プリセット)または This deck(このデッキ) ワークスペース単位で設定可能。デフォルトは0.90
FSRS parameters(FSRSパラメータ) 復習履歴から Optimize Current Preset(現在のプリセットを最適化)または Optimize All Presets(すべてのプリセットを最適化) 公式のFSRS-6デフォルト重みで固定され、v1ではユーザーが変更できない
Learning steps(学習ステップ) 設定可能。空欄にしてFSRSへスケジュールを任せる機能は実験的 ワークスペース単位で設定可能。デフォルトは1m 10m
Relearning steps(再学習ステップ) 設定可能。空欄にしてFSRSへスケジュールを任せる機能は実験的 ワークスペース単位で設定可能。デフォルトは10m
Maximum interval(最大間隔) デフォルトは100年 デフォルトは36,500日。つまり100年
設定変更 デフォルトでは今後の復習に適用。過去分を含む再スケジュールも任意で可能 今後の復習のみに適用。既存の期限は再構築されない
学習量ツール Help Me Decide (Experimental)FSRS Simulator (Experimental) v1には同等の学習量シミュレーターがない

Flashcardsは標準的なAgain、Hard、Good、Easyの評価を使い、カード単位でFSRSの記憶状態を保持します。バックエンド、iOS、Androidのスケジューラはそれぞれ独立した実装ですが、挙動が揃うよう維持されています。Webの復習フローは4つ目の実装を追加せず、バックエンドのスケジューラを再利用します。

こうした適用範囲とデフォルトは、公開されているFlashcardsのFSRSスケジュール仕様に記載されています。違いは明快です。Flashcardsが提供するのは、実用的なワークスペース単位のFSRS-6設定です。一方のAnkiには、より細かな適用範囲、履歴に合わせた個別最適化、シミュレーションがあります。そうした機能が不可欠なら、Ankiのほうが向いています。

成熟したコレクションのための、より安全な手順

すでに数か月または数年分の復習履歴がある場合は、次の順序で進めます。

  1. 評価の使い分けを正す。 Againは失敗、Hardは苦労したが成功した場合に使う。
  2. 現在のプリセットを最適化する。 重みを編集したりコピーしたりせず、自分の履歴に適合させる。
  3. 必要ならヘルスチェックを実行する。 履歴が少ない、または一貫していないなら、まずデータの問題として扱う。
  4. Help Me Decideを使う。 継続できる復習数や学習時間から、定着率の範囲を選ぶ。
  5. Simulatorを実行する。 現在の設定、検討中の目標、新規カードの投入量を減らした場合を比較する。
  6. 実際の設定は1つだけ変える。 まず定着率か投入量を調整し、その後に実際のキューを観察する。
  7. ステップを短く保つ。 1日以上にわたる学習・再学習ステップは削除し、空欄は実験としてのみ使う。
  8. maximum intervalを十分に長く保つ。 明確な期限や要件がある場合だけ短くする。
  9. 再スケジュールをオフに保つ。 すぐに再構築する必要がある場合は、先にバックアップし、その結果生じるキューに備える。

この順序なら、長く使ってきたスケジュールでも、できる限り後戻りできる状態を保てます。また、モデルの適合、想起率の目標、新しい教材の流れという3つの別問題を、ひとまとめの設定問題にせずに済みます。

おすすめFSRS設定についてのFAQ

FSRSではdesired retentionを90%にするのが最適ですか?

一般的には最も安全な出発点です。Ankiのデフォルトであり、高い定着率で学習量の増え方が特に急になる領域を避けられるためです。1つのデッキに最適な値は、忘れることの代償と、継続できる学習量によって決まります。変更する前に Help Me Decide (Experimental) を確認してください。

desired retentionを95%に設定すべきですか?

増える復習数や学習時間を確認してからにしてください。カードがよく整理された重要度の高いデッキなら95%が妥当な場合もありますが、大きな趣味用コレクションでは不必要に重くなるかもしれません。期限をすぐに再構築する意図がない限り、過去分を含む再スケジュールを同時に有効にしないでください。

FSRSパラメータはどのくらいの頻度で最適化すべきですか?

月1回でも十分に頻繁です。Anki 26.08のアプリ内ガイドでは、数か月に1回で十分とされています。毎日や毎週ではなく、意味のある新しい履歴が蓄積してから最適化してください。

FSRSのlearning stepsは空にすべきですか?

Learning stepsまたはrelearning stepsを空にすると、Anki 26.08は対応する短期スケジュールをFSRSに任せます。この機能は実験的で、Againが1日以上先に設定されることがあります。当日中のステップを最小限に設定する方法が、引き続き無難な選択肢です。

FSRS設定を変えると、既存のAnkiカードも再スケジュールされますか?

デフォルトでは再スケジュールされません。Reschedule cards on change がオフなら、キューをすぐに再構築することなく、今後の復習に新しい設定が反映されます。オンにすると期限が変わり、多くのカードが期限を迎える可能性があるため、先にバックアップしてください。

CMRRは今もAnkiにありますか?

いいえ。Ankiはバージョン25.07でCompute Minimum Recommended Retentionを削除しました。Anki 26.08では、定着率と推定学習量を比較するために Help Me Decide (Experimental)FSRS Simulator (Experimental) を使います。

FlashcardsはAnkiと同じ設定を使いますか?

FlashcardsはFSRS-6を使い、ワークスペースごとにdesired retention、learning steps、relearning steps、maximum interval、fuzzを設定できます。ただし、Ankiの設定モデルをそのまま再現しているわけではありません。v1では重みが固定され、変更は今後の復習にのみ適用され、個人に合わせたパラメータ最適化や学習量シミュレーターはありません。

パーセンテージより先に学習量を決める

よいFSRS設定は、復習キューを現実の学習計画に合わせます。90%から始め、学習量を見積もり、新規カードの投入を調整し、より多く覚えておく価値が追加の復習に見合う場合にだけ定着率を上げてください。ステップは短く、maximum intervalは十分に長く、評価データは実態に合わせます。

あとは設定画面を閉じましょう。スケジューラに必要なのは、もう一晩かけた調整より、着実な復習です。

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